ロックマンXセイヴァーT - 最終章 - 第五話
第五話

「くっそぉ・・どこだ・・・?」
撃たれた背中を庇いながら、セイアは精妙に気配を探った。
駄目だ・・。
前にいるようでいて、また後にいるような気がする。
気配が拡散し、正確な位置が掴めない。
「くっ・・!!」
頭上から降ってきたエネルギー弾を、サーベルで斬り裂き、その弾道にそっくりそのまま電刃]を放つが、
既にその位置にはいないのか、蛍光色のエネルギー波は、天井を崩すだけの結果に終わった。
「ぐははははは!!!」
ワイリーの下卑た笑いが、何も無い空間に木霊する。
出来ることなら、すぐにコイツを倒してやりたい。
すぐにその下衆な笑いを噤ませてやりたかった。
「どこだ・・どこにいるんだ!!?」
溜まらなくなって叫ぶが、やはりワイリーは下衆な笑い声を上げるだけだった。
どうすればいい?
最も有効的に、今の状況を打開するには・・。
−−いいか?セイア。もし敵がステルス機能を持っていて、視覚で確認出来ないときは、
壁に背を預けるんだ。そうすれば、360度の隙が、自分の目の前だけを注意するだけで良い事になる。
不意に脳裏に蘇ったのは、バーチャル・トレーニング中に聞いた、兄のアドバイスだった。
−−壁に背を預ける・・。
素早く地面を蹴り、一番近くの側壁に、ピッタリと背中を合わせた。
これで、事実上、目の前だけに注意を配るだけで良い。
サーベルを頭上に振りかぶり、堅く眼を閉じる。
・・・・・・・・。
・・・・・・・。
「今だっ!!!」
「なんだと!!?」
眼を開くと同時に、目の前に電刃]を放つと、その弾道上に、タイミング良くワイリー・カプセルが現れた。
エネルギーを充填し始めた銃口を、セイアの電刃]がものの見事に斬り裂いた。
サーベルを左手に持ち替え、そのまま一気に飛びかかる。
セイアの堅く握りしめられている拳には、蒼いエネルギー・・]・滅閃光の光が宿されていた。
「喰らえぇぇ!!!」
ワイリー・カプセルの全体を、蒼いエネルギーが駆け巡った。
その姿はさながら、大地を削き、天空を裂く龍の様だった。
直ぐ様、左手のサーベルをカプセルにら突き立て、着地する。
余りの衝撃と連続使用に、材質自体が耐えられないのか、セイアのアーマーは、所々がボロリと削げた。
「ハァ・・ハァ・・ハァ・・やったか・・?もう・・これ以上は・・。」
無理矢理に繰り出した]・滅閃光の影響で、身体中に激痛が走る。
目の前が霞んでくるのを、必死になって繋ぎ止める。
気持ちが悪い。吐き気がする。
手足がガクガクと震えてきた。
「ぬっ・・・ぬぬ・・・。今のは危なかった・・。
今のは危なかったぞ!!」
所々から黒煙を吹き、既に損傷が限界に達していると言うのに、
ワイリー・カプセルは未だにその場に浮遊していた。
再び隠蔽を発動しないところを見ると、どうやら先程の衝撃で、その機能を失ったらしい。
「ROCKMANめ・・・!!」
「くそ・・まだ・・まだ闘えるのか・・・!?」