ロックマンXセイヴァーT - 第参章 - 第五話
第五話
バトル・アクスをセイバ−で受け止め、素早く蹴りを放つ。
しかし、威力が足りない。
余った左腕で豪快に殴り飛ばされ、エックスは勢いよく後方へ吹き飛んだ。
シグマは、エックスを追う形で前方へ飛び、アクスを振りかぶった。
エックスは回避することが出来ない。
このまま振り下ろされれば、シグマのアクスが、エックスをモノの見事に真っ二つにする事だろう。
しかし、シグマのバトル・アクスが、エックスを真っ二つにする事は無かった。
「ハァ・・ハァ・・僕はまだ・・ハァ・・終わっちゃいない!!」
セイアの放ったプラズマチャ−ジ・ショットが、豪快にシグマを包み込んだのだ。
しかし、効果はない。
セイアの姿を確認したシグマは、標的をセイアに定め、
飛び込んできた。
「うぉぉぉぉ!!」
アクスをサ−ベルで受け止め、受け流しつつ、サ−ベルをアクスごと吹き飛ばさせる。
そして、直ぐ様拳の連撃を浴びせ掛ける。
「はぁぁ!!」
強烈な火花が両者の間でスパ−クする。
スピ−ドは僅かだが、シグマが上。
「がはっ!!あぁぁ!!」
一瞬の隙を突かれ、セイアはシグマの拳によって、
地面に叩き付けられた。
−身体が・・動かない・・。
立ち上がろうと、地面に手を突くが、力が入らず、
身体を持ち上げることが出来ない。
−やられる・・。
シグマは、足元に転がっていたアクスを拾い上げ、
ゆっくりとした動作で振り被った。
「っそぉ・・シグマぁぁ!!」
途中弟への攻撃を阻止しようと、エックスが飛び込んできたが、
その攻撃はいとも簡単に受け流され、続けざまのシグマの攻撃によって、
エックスはその場に平伏した。
シグマの冷笑に背筋が凍る・・。
逃げられない・・。
殺される・・。
セイアの頭の中で、二種類の文字が飛び交う。
「っ・・・うぁ・・。」
声が出ない・・。
このままやられちゃうのか?
このまま真っ二つにされてしまうのか?
・・しかし、シグマのアクスがセイアに到達することは無かった。
「・・えっ・・?」
その瞬間、現れた紅い影が、一瞬にしてシグマを吹き飛ばした。
「なっ・・まさか・・ゼ・・ロ・・兄さ・・?」
紅い影がゆっくりと振り返った。
全身真っ赤な鎧を着た、長い金髪の青年。
何故・・?
自分の兄であるゼロは、数十分前の闘いで、自分が葬ってしまったはず。
目を見開いたまま、立ち上がろうともしないセイアに、
ゼロと呼ばれた青年は、ゆっくりと歩み寄ってきた。