ロックマンXセイヴァーT - 第参章 - 第三話
第三話
鉄の焦げる匂いが鼻をつく。
エックスのマグマ・ブレ−ドと、
シグマのバトル・アクスが、正面から激突したからだ。
「くっ・・・そ・・。」
少しずつ、エックスのセイバ−が押し込まれていく。
完全に押しきられるのも時間の問題だろう。
「ぅ・・・・・っ!?」
キィンと言う甲高い音が響く。
それと共に、ゼット・セイバ−の柄が、勢いよく宙を舞った。
シグマのバトル・アクスは、そのままの勢いで、エックスに襲いかかったが、
咄嗟にエックスが避けたため、地面に叩き付けられた。
そして、エックスは直ぐ様バック転で間合を取った。
すると、跳んだ先では、既にセイアがバスタ−にエネルギ−を集中させ、
その銃口をシグマに向けて立っていた。
「喰らえぇぇ!!」
重い衝撃音と共に、銃口から、蒼いエネルギ−の塊が放たれた。
バトル・アクスを地面に叩きつけたことによって、バランスが崩れ、
シグマは今無防備な状況にある。
一瞬の轟音が耳を打つと共に、シグマは蒼いエネルギ−弾に呑み込まれた。
多量の煙が辺りを舞う。
「セイア・・油断するな。こんな程度でやられるような奴じゃない。」
落下してきたセイバ−を、パシッと受け止めるエックス。
そして、再び握り直し、その蛍光色の刃を発生させる。
「・・うん・・。」
セイアも肩のサ−ベルに手をかけた。
除々に煙が晴れていく。
それに比例して、中の人影がゆっくりと視界に入ってくる。
「・・・・来る!」
エックスが叫んだ。
地面を蹴る音と共に、シグマが大きく跳び上がった。
「っ!」
上昇していくシグマに向け、セイアはバスタ−を連発したが、
その全てはシグマのバトル・アクスに叩き落とされてしまった。
そして、シグマは直ぐ様アクスを振りかぶり、落下の勢いと共に振り下ろした。
「・・電刃!!」
すかさず電撃を帯びたライジングで迎撃するセイア。
甲高い激突音と同時に、サ−ベルとアクスが火花を散らす。
「隙だらけだぜ!!喰らえ!!」
その隙にエックスのフルチャ−ジ・ショットの蒼い閃光がシグマを包み込んだ。
しかし、甘かった。
「なにっ!?うぁぁ!!」
セイアが気がついたときには、バスタ−をものともしないシグマの豪腕が、
セイアの頭を鷲掴みにしていた。
落下の勢いに任せ、セイア地面に叩きつける。
「あぁぁぁぁ!!」
全身に激痛が走った。
押さえた口もとに、微かな赤い液体が付着している。