ロックマンXセイヴァーT - 第参章 - 第十一話
第十一話

「]・滅閃光!!」
間髪入れずに、エネルギ−を灯した己の拳を、思い切り地面に叩き付けたセイア。
次の瞬間には、ゼロの真・滅閃光を上回るほどの巨大なエネルギ−波が、
勢いよく、大破し地面の露出している床から噴出した。
当然、土煙が辺りに充満していく。
手応えがない。
恐らく、回避したか、バリアで防ぎきったか・・。
バスタ−のチャ−ジが完了したエックスは、自分とセイア目掛け、次々と放たれるワイリ−・マシンの攻撃を、
ゼット・セイバ−で撃ち落としつつ、蒼い閃光を帯びた銃口を、
目の前の土煙に向け、放った。
直撃はしなかった。
しかし、そのエネルギ−は、辺りの土煙を晴らすには充分すぎるほどだった。
「電刃]!」
続けてセイアが、待っていたと言わんばかりに、エネルギ−を収束させたサ−ベルを、
思いきり左から右へかけて一閃し、蒼いエネルギ−波を放った。
放たれたそれは、回避しようとするワイリ−・マシンの右端の部分を、
まるで豆腐でも斬り裂くかのように、アッサリと切断してしまった。
「生意気な・・。」
ワイリ−・マシンの下部に搭載されている、巨大な銃口から、
ドス黒いエネルギ−弾が、次々と放たれた。
連続的に発射されたそれを、セイアは真月輪で撃ち落とし、
エックスはチャ−ジ版フロスト・シ−ルドで防ぎきった。
しかし、最後に放たれた特大のエネルギ−弾は、真月輪を粉砕し、
フロスト・シ−ルドを撃ち抜き、二人の身体を包んだ。
だが、次の瞬間、先程と同じように、エネルギ−弾の中の二人の姿は瞬時にして掻き消えた。
「ぬっ・・またか・・。」
「ソウル・ボディ・・そして旋墜斬!!」
「同じく・・ライジング・ファイア!!」
上空と足元。
既に二人は同時に入れ替わっていた。
セイアの滑空しながらの剣撃と、エックスの打ち上げる形の炎。
ワイリ−は、慌ててバリアを発生させるも、旋墜斬がバリアを歪ませ、
その歪みを突き抜けたライジング・ファイアが、ドクロの頭部部分に位置する、
バリア発生装置と思われる機器を、粉々に破壊した。
「なにぃぃぃぃ!?」
驚愕を帯びたワイリ−の声が響いた。
昔、何度も何度も聞いた、その声。
しかし、彼は今や人間ではない。
かといって、レプリロイド・・ロボットにすらなれていない。
セイアもエックスも、それが酷く悲しかった。
それでも・・撃たなければ・・。
セイアとエックス、二人はバスタ−の銃口をワイリ−・マシンに向け、
集中できるだけ、総ての力を注ぎ込んだ。
『これで最後だぁぁぁぁ!!』
「馬鹿なぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、二人分の蒼い閃光が、放たれた凍結弾、炎弾、エネルギ−弾をものともせず、
完全にワイリ−・マシンを包み込んだ。