ロックマンXセイヴァーT - 第参章 - 第一話
第一話
「よし・・行くぞ!」
エックスは、掛け声と共に目の前の扉を、
問答無用のチャ−ジ・ショットで破壊した。
そして、そのまま煙に紛れてのダッシュで内部に突入する。
エックスは屈んでバスタ−を、
セイアは直立してサ−ベルを構えた。
ゆっくりと晴れていく煙の先から、確かな人影が見えた。
そして、数秒後には、その人影は完全に二人の視界に入った。
「・・!」
「なっ・・。」
白衣を着用し、頭髪は白髪。
白衣には”W”の文字を入れた、老人型レプリロイド。
そして、老人の隣には、頭一つ分ほどの小さなカプセルが設置されている。
カプセルは、何かの液体で満たされており、コポコポと泡が立ち上がっている。
中には、何やら脂ぎった豆腐の様な物体が浮かんでいる。
「フフフ・・待っていたぞ、ROCKMAN。」
驚愕する二人を尻目に、老人は静かに口を開いた。
「お前・・か!・・VAVAを復活させたのは!」
エックスが叫んだ。
その額には、異常なまでの冷や汗が浮かんでいる。
それは、この老人の発する、妙なプレッシャ−のせいだ。
わけのわかない“何か”。
まるで、何度倒しても復活してくる、あのシグマを前にしているような。
「ククク・・ロックマンが二人・・。ついにこの時が来た。」
「っ・・質問に答えろ!!」
プレッシャ−を跳ね返すように一喝するが、
老人は全くと言っていいほど動じていない。
不意に老人は右手を上げた。
すると、小さな光が現れ、一枚のリングへと姿を変えた。
そして、それをエックス目掛けて投げつけた。
「っ!?」
リングはエックスに着弾すると共に、そのサイズを急激に変え、
エックスの身体を拘束した。
避ける間もなかった。
「兄さん!・・・この野郎ぉぉぉ!!」
サ−ベルを振りかぶり、勢いよく斬り掛かる。
が、老人は高出力の光剣を、何ごとも無いようにアッサリとかわした。
そして、歳を感じさせない回し蹴りで、セイアを吹き飛ばした。
「ついにこの時が来た・・ワシの敵・・ワシのライバル・・ワシの天敵。
ROCKMANに復讐するこの時がな!!」
復讐・・?
天敵・・?
ROCKMAN・・?
セイアの頭の中に次々と疑問符が飛び交う。
何を言っているんだ?