ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第八話
第八話

次の瞬間・・その場に立っていたのは、
純白のア−マ−に身を包んだ少年・・ロックマン・セイヴァ−だった。
そして、対するVAVAは・・。
「バ・・カ・・な・・。」
上半身と下半身は無残に生き別れになり、地面に散まかれていた。
VAVAを斬り裂いたものは・・。
ヴゥゥゥンと、独特のエネルギ−収束音を響かせながら、
セイアの銃口から発生している蒼い閃光・・。
レ−ザ−・ブレ−ドだった。
元々、ブレ−ド・ア−マ−はナイトメア事件時に、
ゼット・セイバ−を使用していたエックスに合わせ、
謎の老人が開発したものだ。
ビ−ム・サ−ベル自体をバスタ−と同化させ、
出力自体を共同体にする事により、より出力の高い光剣を作り出せるのだ。
「RO・・CKMA・・Nは・・オレ・・が・・。」
VAVAは先程から同じことを繰り返し呟いていた。
まるで何かに取り憑かれた様に・・。
「死ぬ前に言え!!兄さんはどこだ!!」
ブレ−ドを消し去ったバスタ−を向け、叫ぶ。
「クッ・・クク・・オレを倒しても・・もう・・遅い・・。
貴様も・・エックスも・・。」
しかし、その最後の言葉を口にする前に、
VAVAのモノアイの光は消えうせていた。
「っ・・くそ・・。」
小さく舌打ちをし、立ち上がると、あることに気がついた。
先程まで、戦闘に夢中で気がつかなかったが、
セイアの目の前には、巨大な扉があった。
扉には、掠れた文字で”W”とペイントされていた。
W・・なぜかはわからないが嫌な感じがする。
「まさか・・。」
この先だ。
妙な確信感を抱いたセイアは、ゆっくりと扉に歩み寄った。
軽く手で押してみる。
当然ながら開くことはない。
ある意味、この扉は最強の門番だろう。
知恵や勇気だけでは絶対に潜り抜けられない。
特殊合金製と思われるこの扉。
しかしセイアには、知恵と勇気・・そして、
この扉を開くだけの力がある。
ズバァ
瞬間的にレ−ザ−・ブレ−ドを発生させ、
左から右に掛けて、真っ二つに斬り裂いた。
パカァァンと乾いた音がした。
「よしっ!」
セイアは、フッと笑みを浮かべると、
ゆっくりと足を進めていった。