ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第七話
第七話

セイアは、エネルギ−を帯びた右腕で、VAVAを殴り飛ばした。
本来、滅閃光は地面にエネルギ−を叩き付け、噴出させる技だが、
直接相手の身体に拳ごと叩き込むことにより、
より巨大なダメ−ジを与えることが出来るのだ。
「ハァ・・ハァ・・。」
先程から、ラ−ニング技を連発しているため、
当然疲労はある。
必然的に息は荒い。
しかし、それに反するかのように、VAVAはユラリと立ち上がった。
「ふっ・・なかなかの戦闘力だ。
前言撤回だセイヴァ−。だが・・まだオレには勝てない。」
身体にかかった埃を払い落としながら、VAVAは言った。
「まぁいい・・そろそろ殺すか・・。」
ヴァイン
VAVAは、肩部から一本の筒を取り出した。
セイバ−の柄だ。
血のような真紅のエネルギ−が収束していく。
「ハァ・・ハァ・・疾風牙!!」
セイアはダッシュで突進し、サ−ベルを振った。
しかし、先程までのスピ−ドは無い。
剣撃は、いとも簡単に受け止められていた。
「くっ・・ぅぅ・・。」
思いきり押し込む・・が、
腕力ではあちらの方が上の様だ。
「ハァ!」
「うぁ!」
VAVAがサ−ベルを翻し、セイアを宙に放った。
そして自らも宙に飛び、蹴りを叩き込み、落下させた。
受け身はとったものの、今のダメ−ジは見た目以上に大きい。
「くっ・・・そぉ・・。」
(駄目だ・・バスタ−じゃ当たらない・・サ−ベルも無理だ・・。
なんとかして・・なんとかしてアイツの防御を崩さないと・・。
例えば・・アイツよりも出力の大きいサ−ベルでも作らないと・・。
ん?・・そうか!)
激痛が走っているというのに、セイアは冷静に思考を巡らしていた。
「いいのか?集中切らして・・隙だらけだぜ?」
見下すように歩み寄り、再び蹴りを打ち込む。
その威力に、数メートル吹き飛ばされたセイアだったが、
後方の壁に張りつき、受け身を取った。
ダメ−ジは・・浅い。
「ハァ・・ハァ・・うぉぉぉ!!」
地面に降り立ち、バスターを乱射する。
「そうだ!立ち上がってこい!!俺を満足させろ!!」
バスタ−の雨を余裕で躱し続けながら、VAVAは声を上げる。
そう・・まるで・・鬼。
「フハハハ!!」
サ−ベルを構え、突進してくるVAVA。
だが、セイアはこの時を待っていた。
相手から接近戦をしかけてくるこの時を・・。
「っ!!」
バスタ−を解除し、右手を前に突き出す。
その手には、しっかりとサ−ベルの筒が握られている。
ガシュ
再びセイアの右腕がバスタ−に変形した。
そして、握られていたサ−ベルの柄が、
バスタ−の銃口内に収納された。
「死ねぇぇぇ!!」
VAVAはサ−ベルを大きく振りかぶった。
「勝つのは・・僕だぁぁぁぁ!!」
その瞬間・・二つの影が交差した。