ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第三話
第三話

セイアは、右手を肩のサ−ベルにかけ・・。
ヴァイン
一気に引き抜いた。
エネルギ−収束時の独特の音と共に、
手にしたサ−ベルの柄に、蛍光色の光が宿る。
「クックック・・いい目だ・・。
いいだろう。教えてやる。俺の名は”VAVA”。」
VAVA・・一度だけエックスから聞いた名前。
伝説のROCKMANに対して、異常なまでの執着心があるという。
「過去・・貴様の兄・・エックスに二度・・二度葬られたことがある。
だが・・今のオレは違う。とある人物に復活してもらったのさ!
オレは喜びに打ち震えたね・・。」
両手を広げ、見えない何かを掴むように、
空気中で両手を絡ませる。
「っ・・!」
「さぁな・・。だが・・オレはロックマン・セイヴァ−・・
貴様に興味がある・・エックス以上にな!!」
先手を斬ったのは、VAVAの方だった。
肩のキャノンがセイアを狙う。
「くっ!」
避けられない。
右手で握りしめているサ−ベルで、
エネルギ−弾を斬り裂いた。
そして、予めチャ−ジしておいた左手のバスタ−を、
VAVAに向かって解放する。
ドッと、軽い衝撃と共に、蒼い閃光が、
一片の狂いも無くVAVAに向かう。
だが、本当ならば回避できるはずのVAVAは、一向に避けようとはしない。
・・?
「甘いな・・。」
呟き、直進してくる閃光に向かい、右手の人指し指を突き出した。
そして・・弾いた。
「!?」
セイアは驚愕を覚えた。
自分の兄・・エックスでさえ、フルチャ−ジ・ショットならば、
避けることしか出来ない。
それを、エネルギ−で強化すらしていない人指し指で弾き返すなど・・。
「くそっ・・。」
これならどうだ!と言わんばかりに、大量にバスタ−を放つ。
大量に弾を散蒔いて、命中力・翻弄性を高めようというわけだ。