ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第二話
第二話

「良し・・行くか。」
セイアは、そう決意を固めると、ゆっくりと・・慎重に洞窟に足を進めていった。

「暗い・・。」
歩くこと五分。既に光は見えなくなっている。
それでも、セイアの高性能アイ・カメラは、
辛うじて半径二m程度なら把握することが出来た。
そして、イザとなった場合、照明代わりになる特種武器又はラ−ニング技を発動すれば良い事なのだ。
そんな事を考えている間に、
一瞬にして辺りが照らされた。
敵の攻撃?
ちがう・・。
松明だ。
いつの間にか四角い部屋に入っていたのだろう、
四隅に、赤い炎を灯した松明が備わっている。
そして・・セイアは、自分の真っ正面から感じられる、
凄まじいまでの殺気を認識した。
左腕をバスタ−にチェンジし、右手を肩のサ−ベルにかける。
立っていたのは・・真紅のモノアイ・・紫色のア−マ−。
そう、セイアをここに呼び出した張本人。
「ククク・・そう焦るな。
待っていたぞ?ロックマン・セイヴァ−。」
地獄の底から響くような低い声。
レプリロイドのモノアイがギョロリと動いた。
「貴様・・・兄さんはどこだ!」
セイアは、自らかけられた殺気を振りほどくかのように怒鳴ってみせるが、
レプリロイドは、怯む様子は無い。
それどころか、殺気は更にその鋭さを増していく。
「知りたければ・・オレを倒してみるんだ・・なっ!!」
!?
レプリロイドは、声と共に素早く突進してきた。
その余りのスピ−ドに、セイアの反応速度は、ついていくことが出来なかった。
ドガァと言う衝撃が、セイアの身体を走る。
「ぐっ・・・。」
だが、それでもなんとか右手で受け止めることが出来た。
「ほぉ・・少しは出来るようだな・・。」
拳を離し、再び間合を取ったレプリロイド。
「・・何者だ・・!!」
痺れる右腕をプラプラと振り、
セイアは言った。