ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第一話
第一話

Z−Y13地点

蒼い閃光と共に降り立ったセイア。
その身体には、燃えるような真っ赤なア−マ−が搭載されている。
そう・・烈火を思わせる赤い紅いア−マ−。
「ここ・・か・・。」
そう呟き、辺りを見回す。
辺り一面森林地帯だ。
木々の間から見える太陽が、暖かい輝きを放っている。
「・・・・!」
セイアの眼に、一際異様なモノが映った。
なんと、目の前の岩場に、いかにも人工的な洞窟が掘られているのだ。
恐らく・・敵は中にいるのだろう。
そう判断したセイアは、走り出そうとしたが・・。
「ガ・・カガ・・イア・・?セイア聞える?」
突然、ヘルメットに搭載されている通信機から、女性オペレ−タの声が響いた。
「こちらロックマン・セイヴァ−。エイリアさんですか?」
「ガ・・ふぅ〜・・やっと繋がったわ。電波障害が酷くて。
それより大変。エックスが・・。」
「さらわれてしまったの」その台詞は、セイアの言葉によって遮られた。
「分かっています。今・・敵の本拠地と思われる場所の前にいます。」
「目の前?でも・・あなた一人じゃ・・。」
「いえ・・ここは僕一人で行きます。」
セイアは言い切った。
何故か分からないが、”ここは一人で行かなくてはいけない”と言う感覚があったのだ。
エイリアは知っているのだ。
そう言った、エックス、ゼロ・・そしてセイアは、絶対にその意見を曲げないことを。
その様子に、エイリアはとうとう折れた。
「・・・・わかったわ。でも・・これだけは持って行って頂戴。」
「えっ?」
パァァァァ
セイアの身体を、蒼い光が包む。
そして・・光が晴れると共に、姿を現したのは、
純白の鎧。
「これは・・?」
見慣れない鎧に、疑問の声を上げる。
すると
「それはね、エックスがナイトメア事件の時に使った”ブレ−ド・アーマー”よ。
セイア・・あなたが寝ている間に、転送チップを取りつけておいたの。」
心なしか、自慢げに聞えてくるエイリアの声。
ユ−ラシア事件の際には考えられないことだった。
必要最低限のこと以外は話さない・・夢を見ることを知らない・・。
しかし、そんな彼女の心を溶かしたのは、紛れもない・・エックスとゼロだった。
「ブレ−ド・・ア−マ−・・か。エイリアさん、ありがとうございます。
でも・・僕もう行きますので・・切ります・・!」
「わかったわ。頑張ってね。」
エイリアは、そう言うと、静かに通信を切った。