ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第十三話
第十三話

ゼロは信じられない・・と言った表情を作った。
先程自分が放った電刃零。
それに対する回避手段が無いセイアは、成す術もなく斬り裂かれたと思っていた。
しかし・・違った。
セイアは、半ばヤケになりながら、ブレ−ドを横に振った。
するとどうだ?
レ−ザ−・ブレ−ドから、電刃零そっくりのエネルギ−波が放たれ、
自分が放った電刃零を掻き消し、自分のメットを吹き飛ばしたのだ。
そう・・これこそ、ゲイトが開発した”]・ラ−ニングシステム”だ。
「ハァ・・ハァ・・出来た・・!!」
ブレ−ドを構えたまま、セイアは呟いた。
どうやったかなんて覚えていない。
ただなんとなくやったら出来てしまったのだ。
しかも、まぐれではない。
まぐれで出たと言うよりも、自分で出した感覚がしっかりとあったからだ。

「セイ・・ア・・ゼロ・・どうして・・?」
朦朧とする意識のなか、エックスは二人の闘いを見守っていた。
なぜ、弟と親友が闘わなくてはならないのだろうか?
目からはいつの間にか涙が流れていた。

「電刃]!!」
叫び、再びエネルバ−波を放つ。
「調子に乗るなよ?真月輪!!」
ゼロの声は怒気を孕んでいる。
構えた左腕のバスタ−から、月型のエネルギ−波が三発。
そのエネルギ−波は、いつも簡単に電刃]を掻き消した。
「うぉぉぉ!!」
打ち消そうと、バスタ−を連続的に打ち込むが、
やはり全て弾かれてしまう。
完全に間合に入ってしまった真月輪を、なんとかレ−ザ−・ブレ−ドで斬り裂き、
消滅させた。
しかし、ゼロがこの隙を逃すわけなど無かった。
「真・滅閃光!!」
「なっ!?うぁぁぁぁ!!」
ゼロは、エネルギ−を帯びた拳を、思いきり地面に叩きつけた。
それと同時に、セイアの足元から、強力なエネルギ−波が噴出し、
セイアを包み込んだ。
「ふっ・・終わった・・。」
セイアが”呑み込まれた”事を確認し、ニヤリと笑ったゼロ。
しかし・・ヴィィィンと言うエネルギ−充填時独特の音が響いた。
ドォォン
「わけがないか・・。」
後方から放たれたバスタ−を躱し、ゼロは笑った。
「ハァ・・まだ勝負は・・終わっちゃいない!!」
セイアのア−マ−は大破していた。
所々に斬り裂かれた跡があり、
今の攻撃によって、ほぼ全てが溶解してしまっている。
もはやブレ−ド・ア−マ−は、レ−ザ−・ブレ−ドを発生させることしか出来ない、
鉄クズと化していた。