ロックマンXセイヴァーT - 第弐章 - 第十二話
第十二話
同時刻
ハンタ−ベ−ス
ベ−スの総司令室では、総監であるシグナス、
オペレ−タのエイリア、そしてゲイトが集まっていた。
「・・・と言うわけ・・。セイアはたった一人でエックスの救出に向かったわ。」
エイリアは、今までの全ての報告をシグナスに伝えていた。
数時間前のイレギュラ−との戦闘。
その直後のエックスの捕獲。
フロンティア学園への謎の敵の襲来。
たった一人で救出に向かったセイア。
「うむ・・。で?セイヴァ−からの報告は?」
「無いわ。・・ねぇゲイト?セイア・・たった一人で大丈夫かしら?」
エイリアは、心配そうな眼差しをゲイトに送った。
大丈夫かしら?
それは、ユ−ラシア墜落事件時の彼女からは考えられない台詞だった。
考えは全てデ−タで割りきり、”夢”と言う感情を知らなかった彼女。
しかし、彼女が変わり始めたのはナイトメア事件の時からだ。
最終決戦を終え、ボロボロになったエックス。
彼は、この事件の元凶であり、シグマを蘇らせた張本人であるゲイトを、
その持ち前の優しさで許し、連れ帰った。
その行動がなぜだか嬉しかった気がした。
ゲイトの創ったレプリロイド達を、命令のまま処理し、命を絶った。
その報告を聞いたときのゲイトの顔が忘れられなかった。
それと同時に、彼に対する罪悪感も・・。
だが、エックスがゲイトを連れて帰ってきてくれた事によって、
彼に対する罪が許された気がした。
だから・・今まで必死に封じ込めていた感情を、
表に出すことが出来るようにもなっていた、
「はは。大丈夫だよ。セイヴァ−・・いやセイアはそんなに弱い奴じゃない。
なんせ・・あのエックスとゼロの弟だよ?
それに・・。」
「それに?」
自身ありげに話す彼に、エイリアは問いかけた。
「あの子には、あの子も知らない能力《ちから》がある。」
「・・ゲイト君・・それはなんだ?」
シグナスは問う。
「・・”X・ラ−ニングシステム”だよ。」
「「X・ラ−ニングシステム?」」
エイリアとシグナスの声が重なった。
「そう・・ゼロが持ってる、ゼロ・ラ−ニングシステムを知ってるだろう?
それにエックス君の特種武器システムを上乗せしたんだ。
その理論は研究員時代から必死になって解析して、
完璧とまでは行かないけど、解析することが出来たんだ。」
「それで・・その能力って?」
「うん・・ゼロは闘った相手の技を修得して使用する。
エックス君は倒した相手の武器ユニットチップを使って、特種武器を使う。
それを上乗せしてみたら、
どう言う効果が働いたのかは知らないけど、
一目見た相手の技を即座に修得する事が出来るようになったんだ。」