ロックマンXセイヴァーT - 第壱章 - 第七話
第七話

学校を出て、少し経った頃
「オイ!徳川!」
突然、後から声をかけられた。
「えっ?」
乱暴な言い方に、少々ムッとしたが、とりあえず振り向いてみた。
そこには、先程教室の隅でコソコソと話していた不良二人組みが立っていた。
「ちっと顔貸せや!」
不良の内の一人が言う。
通常の生徒の場合、彼らのなりにビビリ、すぐに逃げてしまうであろう。
しかし・・イレギュラ−・ハンタ−の・・しかもあのエックスの弟であるセイアには、
彼らなど恐るにたらなかった。
「なんか用?」
不機嫌そうに言ってみせる。
すると・・
「なんだぁテメェ!転校生のくせして挨拶も無しか?」
不良の内の一人が歩み寄り、セイアの髪を掴む。
「痛っ・・!」
「それにこの髪・・なんだ?青なんかに染めやがって・・。」
「・・・痛ってなぁ!それに君達なんかに挨拶する義務なんかないじゃないか!」
不良の手を振りほどき、二人を睨み付ける。
「おぉ?おいフレッド。コイツ俺達とやりたいらしいぜ?」
「上等じゃねぇか。行くぜバシュ−ト。」
二人は、言うと同時にセイアに殴りかかってきた。
「!」
だが、
ガシィ
「な・・なに?」
「なんだコイツは・・!」
なんと、二人の拳は、軽々と受け止められてしまった。
「どうしたの?本気だしなよ。」
セイアはニッコリと笑ってみせる。
バッと二人はセイアの腕を振りほどき、
「くそ・・覚えてろぉ!」
情けない台詞を残し、去って行ってしまった。
「「逃げしなに 覚えて居ろは 負けた奴」だな。」
セイアは二人の背中に向かって呟いた。