ロックマンXセイヴァーT - 第壱章 - 第三話
第三話

二ヶ月後
エックスは、再びゲイトに呼び出され、
ゲイトの研究室に向かっていた。

ゲイトの研究室
「失礼します。で?今度はどしたの?」
エックスは、またしても何かを弄っているゲイトに、声をかけてみた。
すると・・
「ん・・?やぁ。やっと完成したよ。」
ゲイトは、そう言うと、部屋の隅に設置してあるカプセルを指さした。
「・・へぇ・・どれどれ?」
そう呟き、カプセルを覗き込むエックス。
中には・・薄い蒼色の髪に、ゼロを思わせる真っ赤なア−マ−の少年が、
まるで眠っているかのように、静かに眼を閉じていた。
その顔は、エックスよりも多少幼いが、彼に瓜二つだ。
「どうだい?君にソックリだろう?」
ゲイトも、カプセルに歩み寄ってきた。
「あぁ・・。」
「さぁ・・起動するよ。」
ゲイトは、カプセルのレバ−に手をかける。
心なしか、鼓動が強まる。
エックス自身・・生命の誕生を目の当たりにするのは初めてだからだ。
ヴィィィン
機械起動時の独特の音が響き渡る。
そして・・
少年が、ゆっくりと目を開けた。
「気分はどうだい?」
ゲイトが声をかける。
「そういやゲイト。この子の名前って・・。」
少年をまじまじと眺めながら、エックスが問う。
「あぁ・・それのことなんだけど・・君につけてもらおうと思って。」
ゲイトは言う。
「え〜・・?んっと・・。」
{名前かぁ・・この子の一生に関わることだからな・・。
そう言えば、この子って・・前ゲイトが言ってたけど、俺の弟って事になるんだよな・・?
出来ればこの子には、沢山の命を救って欲しいよな・・。
救う・・?救済・・?そうか!}
「・・セイヴァ−・・。」
エックスがふと・・呟いた。
「良し。君の名は・・セイヴァ−・・ロックマン・セイヴァ−だ。」
エックスは、そう言うと、セイヴァ−と呼んだ少年の頭を、優しく撫でた。