ロックマンXセイヴァーT - 第壱章 - 第十一話
第十一話

数分後
とある公園
「ふぅ〜・・やっとこそ捲いたぁ・・。」
セイアは一息つくと、背負っていた不良をベンチに降ろした。
「てめ・・なんで助けやがった・・。」
不良が苦しそうに言う。
「僕?あぁ・・ただ・・何と言うか・・放っておけなかったんだ。
で・・傷は大丈夫?」
「なんで・・俺なんかを・・。」
「だぁからぁ。放っておけなかったんだって。」
セイアは、腰に手を当ててみせる。
「・・・・・。」
「ん?どうしたの?」
不意に沈黙した不良に、セイアが問いかける。
「なんで・・俺なんかを・・・。」
「はぁ・・。わかったよ・・。
邪魔だって言うのなら消えますよ・・。」
セイアは溜め息を一つつくと、鞄を背負い、その場を去って行ってしまった。
「変な・・奴だな・・。」
不良〜フレッド・ミルド〜は、立ち去っていくセイアの背中に向かって、そう呟いた。

数時間後
ハンタ−ベ−ス
エックスの部屋
「ねぇ・・兄さん。」
「ん?どうした?」
夕食の用意の為、エプロン姿のエックスに、セイアが声をかける。
「不良と友達になるって・・難しいね・・。」
「ハハ・・なんだそれ?ほら。晩メシ出来たぞ。」