ヴィィィン
少しずつ収束していく蒼い閃光。
「俺は・・護るって決めたんだ・・。
俺は諦めないって決めたんだ・・・。
俺は!!地球の自然も・・人間も!レプリロイドも!!
総てこの手で護ってみせる!!」
ヴィィィン
コ−ドが叫ぶ。
そして、それに呼応するかのごとく、蒼き閃光が極限まで膨れ上がる。
「一体・・貴様のドコにそんな力が!!」
フラットが苦し紛れに叫ぶ。
しかし・・コ−ドは勢いを緩めない。
「喰らえ!!必殺!!ヴァルキリ−・レイン!!!!!」
ドォォォン
コ−ドがバスタ−を頭上に向け、一気に発射する。
「なに!?」
ズドドドドドドドド
その刹那。フラットの頭上から、無数の光が降り注いだ。
「ぐぉぉぉ!!」
諸に光弾を喰らい、派手に吹き飛ぶフラット。

「やっ・・た・・!勝った!ロックマンが勝った!!」
「ああ・・。」
その様子を見、歓喜の声を上げる人々。

「輝君・・。」
コ−ドの勝利を確認し、ホッと息をつくヒカル。

シュゥゥゥゥ
程なくして、光弾の雨が止む。
「く・・くぅ・・。」
ゆっくりと顔を上げるフラット。
その鎧は、所々が破損し、内部機構が丸見えになり、
身体全体が激しくスパ−クしている。
「何故だ・・何故・・。オレはただ・・自然を・・。
地球の自然を・・。」
「フラット・・。」
完全に動けない事を確認し、コ−ドがバスタ−を通常の腕へチェンジする。
「愚かな人間やレプリロイドが出す廃棄物を・・清浄にしてくれているのは・・
地球の自然なんだ・・。
人間達は・・そんな自然を利用するだけ利用して・・
それなのになぜお前は・・そんな人間たちの為に闘える・・?」
「俺は・・確かに最初にアンタと闘うと決めたのは、俺の人格プログラムのせいだっよ・・。
でも・・わかったんだ。ヒカルと出会って・・。
”きっと・・世界にはヒカルみたいな人間が沢山いる”
”それならきっと地球をなんとかしてくれる”
そう思えた。だから護りたい。
大切なのは・・滅ぼすことじゃない。改善することだって・・。」
未だに憎しみの念が残っているフラットに対し、コ−ドは静かに語った。
自分が戦ってきた一ヶ月間を・・。
「嘘だ・・!人間は地球を道具としか思っていない!」
フラットは、頭をブンブンと左右に振りながら言う。
「違う!」
フラットのその様子に、コ−ドが声を太くする。
「違うよ・・違う・・。人間は・・アンタの思っているほど愚かじゃない。」
「嘘・・。」
「確かに、自分の欲のために自然を犠牲にしている人達だっている。
だけど・・ヒカルみたいに・・自然を愛し・・動物を愛している人間だっている。
僕は・・それに賭けてみたい。」
コ−ドは静かに言う・・。
すると・・フラットの顔が少しずつ穏やかになっていく。
「人間の可能性・・それに賭ける・・。
お前は・・そうしたのんだな・・?」
「・・ああ・・。」
「オレも人間達と触れ合えば・・わかる・・だろうか・・。」
「・・ああ・・大丈夫さ・・きっとね・・。」
「そうか・・それならまだ救われるな・・。
コ−ド・・こんなオレでも・・やり直せると・・思うか?」
「・・ああ・・やり直せるさ・・きっと・・。」
コ−ドは、優しい笑顔を浮かべると、フラットに手を差し伸べた。
ロックマン・コ−ドよ・・本当の敵とは・・誰であろうな・・。

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