そして・・その映像は、当然の如くヒカルにも届いていた。
「・・輝君・・?」
リビングのTVに移っている映像・・。
その中で必死に闘っている少年に、ヒカルはそう呟いた。
輝と出会った際・・一瞬だけ見たことのある形態。
今では、あの時の蒼いア−マ−から、漆黒のア−マ−に変化しているが・・
その強い意思力を孕んだ瞳・・少し幼さを残しながらも、優しさを秘めた顔立ちは、
間違いなく、ヒカルの知っている松浦 輝であった。
「輝君・・頑張って・・!負けちゃ・・駄目・・。」

ドォォォン
「うわぁぁぁ!!」
フラットの強力な一撃により、コ−ドの身体が後方へ吹き飛ばされる。
ドゴ
「くぅ・・。」
壁にめり込み、もがくコ−ド。
−苦しい・・身体が・・動かない・・。
「ハァ・・ハァ・・髄分としぶといな・・。
しかし・・その根性ももうお仕舞いのようだ。」
ヴィィィン
フラットのバスタ−に、紫色の光が宿る。
「まだだ・・まだ・・。」
ボゴッと、なんとか身体を外し、着地する。
バスタ−を構えようとするが・・腕が重くて上がらない。
「死ね・・。」
ドォォォン
フラットの全快チャ−ジ・ショットが放たれる。
−負けるのか・・?
−嫌だ・・ここで負けたら・・。

「輝君・・頑張って!!諦めちゃ駄目!!」
今まさに消されようとしているコ−ドに対して、ヒカルが叫ぶ。

”負けちゃ駄目!!”
「・・!!」
頭の中で声がしたような気がした。
とても懐かしい声・・とても安らげる声。
そして・・その声がすると同時に、コ−ドは力が湧き上がってくるような感覚を覚えた。
−ヒカル・・。
「うぉぉぉぉ!!」
ズバァァ
「なんだと!?」
瞬間的に、チャ−ジ・ショットをセイバ−で斬り裂き、消滅させる。
ヴィィィン
そして・・コ−ドのバスタ−に光が収束していく。

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