カッ
永遠に続くかと思われたラッシュの攻防も、今まさに終わりを迎えた。
結果は・・相打ち。
ボロボロになったア−マ−を気にも留めず、二人は後方へ飛び、
チャ−ジ・ショットを放つ。
ドォォン
凄まじい轟音を響かせながら、互いに押し合うエネルギ−弾。
カッ
やはり威力はほぼ同等。
「ハァ・・ハァ・・。」
「ハァ・・ハァ・・。」
あれだけ激しい攻防を繰り広げたのだ。
二人の息は、必然的に荒い。
それでも、二人の目から戦意が消えることは無いであろう。
お互い、護りたいモノを護るため・・闘っているのだから。
「ハァ・・ふん・・なかなかやるではないか。
驚いたぞ?お前にそんな底力があるとはな・・。」
「当たり前だ・・俺は・・負けて・・溜まるか・・。」
強がってはいるモノの、コ−ドの体力は限界に近づいている。
先程まで、勢いで闘っていいため、残りの体力は気にならなかったが・・。
「いい根性だ。いいだろう。オレの放送衛星から、全世界に希望{ROCKMAN}が消える瞬間を
生放送で送ってやる。」

同時刻
全世界では・・
ヴン
「ん・・?」
突然、半壊した街の巨大スクリ−ンに、映像が映し出された。
移っているのは・・漆黒のア−マ−を身に纏った少年と赤紫色のア−マ−を着た青年。
それを見詰める人々は、片方の人物には見覚えがあった。
赤紫の青年・・フラット。
しかし・・漆黒のア−マ−を装着した少年は一体・・?
人々が、頭に疑問符を浮かべる間にも、二人は激しい攻防を繰り広げている。
そして・・人々が見出した答えは・・。
「まさか・・フラットに立ち向かってくれているのか・・?」
「しかし・・そんな戦闘力を持ったレプリロイドなんて・・。」
「いや・・一人だけいる。今まで幾度となく人類の危機を救った・・伝説の英雄・・ROCKMAN。」
「ロッ・・クマン・・?ロックマン・・ロックマンだ!!」
モニタ−の中で、フラットと互角以上の実力で戦闘を繰り広げているコ−ドに対して、
人々は伝説の英雄「ROCKMAN」の姿を見た。
「頑張って!!負けないで!ロックマン!!」
ボロボロになったぬいぐるみを抱き締めた少女が、モニターに向かって叫ぶ。
周りの人々も、少女に吊られてコ−ドに声援を送り始めた。

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