その夜
コ−ドは、不思議な夢を見ていた。

「俺は!!俺は!!一体なんの為に闘っているんだぁぁ!!!!」
傷だらけの紅いア−マ−に長金髪の青年が、完全に機能停止したと思われる、
栗色の髪の少女を抱き抱えて、絶叫していた。

・・・・・・・
場面が突然入れ替わる。

「**・・なんだよ・・一体どうしたんだ・・」
自分にそっくりな、蒼いア−マ−の少年が、先程の紅いア−マ−の青年と対峙していた。
「貴様か・・・貴様が****・・貴様を倒す!!」

・・・・・・・
更に場面が入れ替わる。

そこには、紅いア−マ−に水色の髪の少年が、大破した蒼いア−マ−の少年を抱き締めていた。
そして
「次は貴様だ!!」
老人の声と共に、ドクロの装飾品を付けたマシンが、その銃口を彼らに向けた。
しかし
「許さない・・殺すなら僕を殺せばいいものを・・・
貴様だけは!!貴様だけは許さない!!」
少年は、この時初めて顔を上げた。
髪の色以外、コ−ド・・いや、松浦 輝のそれだった。
少年は、サ−ベルを掲げ。
「ソウルストライク!!!!!!」
渾身の力を込めて、敵のマシンにエネルギーを打ち込んだ。

「はっ!!」
ガバッ
コ−ドの意識が、突然現実に引き戻される。
「ハァ・・ハァ・・・なんだったんだ・・今のは・・」
コ−ドの額には、多量の汗が滲み出ていた。
コ−ドは、不思議な感覚だった。
初めて見る夢でありながら、なぜか、得体の知れない懐かしさもはらんでいた。
「夢・・だよな・・・」
なぜかは解らないが、ひどく不安を覚える。
なにか、自分が自分で無くなってしまうような・・・
そんな感覚・・。
「ハハ・・笑っちゃうな・・夢の出来事に、こんな不安なるなんて・・・」
コ−ドは、不安に怯える自分を、無理やり押し込めると、
再び、ベッドに潜り込んだ。
・・・・・・
しかし、この時のコ−ドは知る由も無かった。
あの夢が、”自分”の記憶でも有ることを・・。

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