ロックマンXセイヴァーT - 最終章 - 第一話
第一話

「やっ・・た・・。」
蒼い閃光が、ワイリ−・マシンを完全に包み込んだのを確認すると、
セイアはその場に膝を突いた。
急に疲れてしまった気がする。
もうエネルギ−も体力も殆ど残っていない。
「あぁ・・。」
そう言うセイアに、エックスはやんわりと頬笑むと、握りしめていたセイバ−を、
ゆっくりとした動作で肩ア−マ−の内部に収納した。
闘いは・・終わった。
「さぁ・・帰ろう・・みんなの所へ。」
「うん!・・・っ!?」
ニコッと笑い、兄の手を借りて立ち上がった瞬間。
セイアのメットを、絶対零度の凍結弾が掠めた。
幸い、掠った程度で済んだ為、外傷は無いが、
掠った部分から、除々にメットが凍結し始めたので、セイアはすぐにメットを外し、
地面に叩きつけた。
確かめるように振り返ったセイアとエックスは、思わず驚愕した。
「ま・・さか・・。」
閃光の煙が、まだ僅かに残っているため、その全貌は見えないが・・。
「・・ワイリ−・・!!」
そこには、脱出ポッドを思わせる形、先程よりも格段に小型化されたワイリ−・マシンが浮かんでいた。
「ふっ・・・フハハハハ!!相変わらず甘いの!?ROCKMAN!!
ワシがこの程度の事でやられると思っているのか!?」
肝心な事を忘れていた。
ワイリ−にしろ、シグマにしろ、必ず一度では倒れない。
必ず、第二、第三の奥の手を用意している。
そして、自分がロックであった時の記憶の中には、この形態はハッキリと記憶されていた。
「ワイリ−・・・・カプセル・・!!」
呟いたのはエックスだった。
セイアは絶望した様な表情を浮かべている。
当たり前だ。エネルギ−切れに等しく、特種武器・ラ−ニング技の連続使用によって、
体力も底をついている。ア−マ−も今や防御を期待できる状態ではない。
「今度こそ・・今度こそ積年の恨みを晴らすぞ・・ROCKMAN・・。」
−−−どうする?
闘うしかない・・。
−−−でも・・勝てるのか・・?
負けられない・・!
−−−どうすれば・・。
諦めなければ・・。
頭の中で、二人の兄が話しているようにも思えた。
要は・・諦めなければ・・。